2007/07/31

報道の力 このエントリーを含むはてなブックマーク

他のところで書きましたが、参院選の結果をよくよく考えてみると、
選挙に勝ったのは「マスコミ」じゃないかと思います。
で、さっそくこんな報道。

アメリカ下院で従軍慰安婦決議が採択されたとのこと。
で、各社の報道はこんな感じ。2chに貼ってあったのでそのまま引用。

時事

決議の採決は発声投票により実施。出席議員から「異議」は出されず、
議会規則が定める「3分の2以上の賛成」が認定され、全会一致に近い形で採択された。


毎日
決議は発声投票により圧倒的賛成多数と認められた。採決に先立つ討論でラントス下院外交委員長
は「日本政府が明確な謝罪を拒んでいることに、日米関係を重視するすべての人が困惑している。
日本国内で続く歴史をねじ曲げようとする試みはとても不愉快だ」と批判した。


朝日
下院外交委員会は6月26日に39対2の大差で決議案を可決。
本会議でも3分の2以上の賛成が見込まれたことから、
今回の採決は発声投票で行われた。出席議員から異議は出なかった。


読売
この日の決議は、手続きが簡略化され、発声方式で行われた。実際に本会議に出席した
議員は数人で、採択に際して異議は出されず、議長が可決と認定した。


産経
決議案の共同提案者は下院議員総数435人のうち167人に上ったものの、
決議案が採決された際に本会議場にいたのは、わずか10人程度。
発声による投票の結果、出席者から異論は出なかったため採択された。



「圧倒的多数」「満場一致」「大差で可決」と扇動的な言葉が並びますが
実際の数字を記述してるのは産經新聞のみ。
嘘を書いている訳ではないけれど、報道の違いってこういう風に出てくるのですね。
435人の下院のうち、出席したのは10人。で、その10人の中で「満場一致」。
もちろん下院決議というのは拘束力がある訳ではないので、
だから何かしないといけない、ということではないようですが、
明日の新聞やテレビがどうなるかは別の意味で楽しみです。

最後に韓国の新聞、中央日報より
米国下院は30日午後(現地時間)、日本軍慰安婦に対する日本政府の公式謝罪を要求する「慰安婦決議案」を満場一致で可決した。
慰安婦決議案が米国議会で採択されたことは今回が初めてだ。慰安婦決議案は1997年以来、10年間6回や下院に提出されたが、日本の強いロビーで全体会議には上程さえできなかった。
下院全体会議はこの日午後3時13分ごろ、決議案に対する賛否を問う形式の表決を通じて決議案を通過させた。全体会議では「反対見解があるのか」という問いに誰も答えなかった。


結局は情報を見る側のリテラシーの問題のようです。
子供がうまれたら、夏休みの宿題に新聞の社説比較でもさせようかしら。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

結局は情報を見る側のリテラシーの問題のようです。
大半の日本人は米国議会の慣行など知りません。
解説なしで報じると、印象操作に利用できてしまうわけです。実際、まんまと引っかかったあげく、朝日に因縁を付けている人までいます。

わずか10人で従軍慰安婦決議案を採択した米下院について
http://okwave.jp/qa3215536.html